Source: The Wall Street Journal

リオのビーチからのテレビ中継には小さな水着の男性の姿が連日映り込んでいる PHOTO: PAUL KIERNAN/THE WALL STREET JOURNAL

リオのビーチからのテレビ中継には小さな水着の男性の姿が連日映り込んでいる PHOTO: PAUL KIERNAN/THE WALL STREET JOURNAL

リオデジャネイロで五輪が開幕してからまだ間もないというのに、視聴者が「もうたくさん」と言いたくなるほど目にしているものがある。

それは現地の男性が着る小さな水着だ。リオのビーチからのテレビ中継にはこうした水着姿の男性が連日映り込んでいる。五輪観戦でブラジルを訪れている外国人の中には、その姿に眉をひそめる人もいる。

ブラジル人が小さな水着を着るのは熱帯性気候のためという説や、ポルトガルが植民地化する前に先住民が身につけていた腰布がルーツという説などがある。

米国では競泳選手以外にこうした水着を着る人はほとんどいないが、ブラジルの男性は体の大きさ、体形、年齢を問わず「スンガ」と呼ばれるブリーフ型の小さな水着を好む。

しかし、ただ小さい水着を着ればいいわけではないようだ。インターネット上には、正しい水着の選び方についての情報があふれている。

ブラジルのエンターテインメント系ポータルサイト「Vírgula」によると、やせた男性は足を長く見せるためにストライプの水着を、背の低い男性は水着部分が小さく見えるように濃い色を着たほうがいいそうだ。

ブラジルでブリーフ型の水着やビキニが普及したのは少なくとも1960年代以降のこと。軍事独裁政権が衰退期を迎え、国民がなんとかして意見を表明しようとしていた1980年代には、水着はそれまでになく小さくなった。当時、女性の間では「デンタルフロス」と呼ばれるひも状のビキニが流行した。

今では、リオの男性は日光浴や泳ぐ時だけでなく、ビーチバレーなどさまざまなスポーツを楽しむ時にも「スンガ」を着用する。海岸に着くまではトランクスを上に履いてくる人もいるが、臆することなく水着姿で街を歩く人もいる。

これまでははるばるブラジルまで来なければ見ることがなかったこんな風景が、五輪のテレビ中継でリオの海岸が画面に映るたびに目に飛び込んでくる。

五輪開幕から数時間後、米NBCのコメンテーター、マイク・ティリコ氏の現地からの中継には、ターコイズブルーの「スンガ」を着た白髪男性が少なくとも25秒をかけ、日焼け止めをたっぷりおなかに塗る姿が映っていた。

視聴者はこうしたシーンを楽しんでいる。レイチェル・ゴンザレスさんもその1人で、リオ五輪の楽しみの1つとフェイスブックに書き込んだ。NBCの広報担当者も「生中継の面白さの1つ」と語る。

しかし、楽しんでいる人ばかりではない。コロラドスプリングスで神父をしているというカイル・T・インゲルスさんはツイッターに「ブラジルには絶対に住めない。私は家に一人でいてもスピード(ブリーフ型の水着)を着ることはないから」と書き込んだ。

リオ五輪をきっかけに米国でブリーフ型の水着が流行する可能性はあるのだろうか。米コネティカット州から来たオペレーションコンサルタントのヘザー・ストーンさんに尋ねると、身震いして言った。「それはないでしょう」

一方、友人とイパネマ海岸に向かってたオハイオ州トレド出身のブランドン・ロソロウスキさん(21)は立ち止まってズボンの下に履いていた星の模様のブリーフ型の水着を見せてくれた。ブリーフ型の水着のほうが「自由な気持ちになる」のだという。

 

ポルトガル語で話しましょう♪

  • 水着:roupa de banho
  • スンガ:sunga
  • デンタルフロス:fio dental

 

 

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