ブラジル混乱続く 大統領停職ほぼ確実 11日に採決

リオデジャネイロでのオリンピック開幕まで3カ月を切るなか、ブラジルでは混乱が続いています。ルセフ大統領が国の会計を不正に操作したとして、11日の上院本会議で弾劾(だんがい)裁判の開始と大統領の停職が可決されることがほぼ確実です。停職期間は最長で180日間で、8月5日から始まるオリンピックには大統領が出席できない異例の事態になります。

現地の新聞には、ルセフ大統領が停職した場合に代理を務めるテメル副大統領の写真が大きく掲載され、次期政権の特集が組まれるなど、早くもポスト・ルセフに向けた動きが始まっています。

議会上院では11日に弾劾裁判の是非を問う採決が行われます。議員81人のうち過半数が賛成すればルセフ大統領は停職となりますが、地元メディアによりますと、51人がすでに賛成する意向を固め、停職は確実な情勢となりました。しかし、大統領支持派は反対陳述を延々と繰り返し、徹底抗戦する構えで、採決は20時間近く徹夜で行われる見通しです。

一方で、政治の混乱は長引くインフレを引き起こし、牛肉やコメの価格が最大30%値上がりしたほか、政府も薬の値上げに踏み切るなど、市民生活を直撃しています。リオデジャネイロでは100万人規模のデモが起きたばかりですが、採決に向けて各地で再び大規模なデモが勃発することも予想されていて、ブラジル社会は今週、オリンピックを前に最大の正念場を迎えることになります。

Source: テレビ朝日系(ANN)

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