Source: 神戸新聞NEXT
戦前、神戸が拠点となったブラジル移民を推奨する映画「海外移住組合の移住地実況」が、「創造する人間の旅」をテーマに今月愛知県で開幕した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」で上映される。
映像プログラム参加アーティストに選ばれた、国内屈指の民間アーカイブ「プラネット映画資料図書館」(安井喜雄代表)が所蔵する1934(昭和9)年製作の16ミリ(53分、無声)で、公益団体の海外移住組合連合会が撮影し、植民地行政を担当する拓務(たくむ)省が編集。国立移住教養所(現神戸市立海外移住と文化の交流センター)から出港するまでの手続きを案内するほか、サンパウロ州とパラナ州の移住地でコーヒーや綿花などを栽培する家族の暮らしぶりが収められている。移民の歴史を物語る貴重な映像資料とみられる。
旅という全体テーマに加え、愛知県にはブラジル人が多く居住することから、フィルムを選定。プラネットが活動拠点とする神戸映画資料館(神戸市長田区)で2007年、ブラジル移民100年プレイベントとして初公開されて以来の上映だという。今回は、同志社大学日本語・日本文化教育センターの根川幸男嘱託講師(移民史)による解説を新たに収録、DVD上映する。
21、26、28日と9月11日、愛知芸術文化センター(名古屋市東区)で上映。8月31日午後2時からは「発掘の旅」と題し、大藤信郎(おおふじのぶろう)作「西遊記 孫悟空物語」や山本早苗作「日本一桃太郎」などの戦前アニメーションを中心に、弁士と楽団付きで上映。安井代表のフィルム収集をめぐるトークもある。
国際展チケット(一般1日券1800円、フリーパス3600円)で入場可。実行委員会TEL052・971・6111
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